311甲状腺がん家族の会
代表者様
県民健康調査・甲状腺検査により甲状腺がんがみつかり手術を受けられた方、あるいは経過観察中の方、ならびにそのご家族におかれましては、思いがけない出来事にさぞかしご心痛のこととお察し申し上げます。
さてこの度9月5日付けにて当会会長宛ておよび私個人宛ての質問と要望をいただきました。
ご指摘いただいた新聞報道には医会としての声明・要望と個人的な私見の表現とが混在して扱われている点があり、そのことにより結果として貴会の会員の皆様方にご心配をおかけしたとするならば率直に深謝申し上げたいと存じます。
貴会からいただきました質問と要望につきましては、真摯に受け止めさせていただきますが、福島県県民健康調査検討委員会でも目下検討中の事項でもありますので、その推移を見守り、現時点においては個別の質問にお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
今回の甲状腺がんの問題を含む子どもたちへの健康影響につきましては、当小児科医会の声明において「東日本大震災/東電原発事故によって惹起された、あるいはその可能性のある心身の健康影響については今後も疫学的調査を含め緻密な継続的健康管理を行っていくことと共に、その結果について速やかに情報公開を行うこと、また何らかの健康影響が認められる場合は健康調査のすすめ方自体についても検討しその対策を速やかにおこなうこと」と、述べさせていただきました。この意図するところは甲状腺検査については、放射線の影響の解明等も含め、今後の検討、対策が最も重要な課題であり、県民の心情に添った対応、検査の在り方やその情報開示を求めるものであり、検査の縮小を求めるものではありません。改めてご確認いただきたく存じます。
私達は今後も福島県の小児科医として、毎日の診療を通して子どもたちの健康と成長を守るべく私どものできる範囲内においてこの問題に取り組んでいきたいと考えております。
以上のご説明を以って貴会よりいただいた質問と要望へのお答えに代えさせていただきたく存じます。貴会の皆様方には、上記の私共の考えについてご賢察ご理解をいただくようお願い申し上げます。
平成28年9月25日
福島県小児科医会
会長 太神 和廣