2017年4月28日

 

 

 

 

 

福島県

 

知事  内堀 雅雄 様

 

 

公立大学法人 福島県立医科大学

 

理事長兼学長  竹之下 誠一 様

 

 

 

 

 

                    311甲状腺がん家族の会

 

                    事務局長 武本 泰

 

                    ℡:080-6718-1717

 

                    Eメール:311tcfggmail.com

 

 

 

 

 

       小児甲状腺がんの正確な実態把握について (要望)

 

 

 

 甲状腺がんの増加の有無を疫学的に検証するには、患者数を正確に把握する必要があります。その上で、放射線被ばくの影響評価には、甲状腺がんの発生状況、生命予後、QOL等についてしっかりと追跡調査を行いながらの長期にわたる見守りが必要です。

 

 そして、この正確な調査に基づいた検証や評価がなされるべきで、その結果は、私ども患者やその家族が、治療に向き合う上での重要な指標となります。

 

 また、甲状腺検査で小児甲状腺がんと判明した子どもたちの大半が、福島県立医科大学で治療を受けています。そのため、福島県立医科大学は、県民健康調査の結果のみならず、一連の小児甲状腺がんの病態までも詳細に把握していると推察します。

 

 そのような中で、2011年3月11日の福島原発事故当時、4歳の児童から、小児甲状腺がんが発見され、福島県立医科大学で治療を受けているものの、県民健康調査の「甲状腺がんないしその疑い」の数に反映されていないことが判明しました。

 

 さらに、放射線医学県民健康センターの「甲状腺検査Q&A」では、甲状腺検査の2次検査で経過観察となり、その後、通常の保険診療を受けていた人が甲状腺がんと診断されて手術を受けた場合は、県民健康調査の「悪性ないし悪性疑い」の数に反映されないことになっているとの記載もありました。

 

 今回の件は、私共含め検査を受ける県民からの信頼を大きく損ねかねず、大変残念に感じています。そこで、当事者団体でもある「311甲状腺がん家族の会」は、別紙の事項について要望します。

 

 

 

<別紙・要望事項>

 

 

 

1 適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るためにも、甲状腺検査において、二次検査で経過観察とされた子どもたちの中で、その後に小児甲状腺がんと判明した人数、予後などを明らかにしてください。

 

  

 

2 今後、二次検査で経過観察とされた子どもたちの中で、その後に小児甲状腺がんと判明した場合にも必ず公表するよう、仕組みを県民健康調査検討委員会で議論の上構築してください。

 

  

3 公益性の見地から、今回のような注目すべき事例は、個人情報を十分に保護した上で、速やかに公表してください。

 

 

 

 

 

                                    以上